英語を学んでいると、「あれ?なんでこうなるの?」と首をかしげる瞬間がありますよね。特に数字に関するルールは、一見論理的に思えるのに、突如として例外が現れることがあります。今回は多くの英語学習者が疑問に思う「なぜ11は11st、12は12nd、13は13rdではないのか?」という素朴な疑問について深掘りしていきます。この小さな「なぜ?」から英語の面白さを発見し、言語の奥深さを感じてみましょう。
「11st、12nd、13rd」という素朴な疑問
英語の序数詞(順序を表す数詞)を学ぶとき、多くの学習者が「あれ?」と感じるポイントがあります。1st、2nd、3rdというパターンがあるのに、なぜか11、12、13だけは違うルールになるのです。なぜ「11st」「12nd」「13rd」ではなく、「11th」「12th」「13th」なのでしょうか?
序数詞の基本ルールを理解する
まず、序数詞とは何かおさらいしましょう。序数詞は「1番目」「2番目」「3番目」のように、順序や位置を示す数詞です。英語では、基本的な数字(基数詞)に特定の接尾辞を追加して表します。
- 1 (one) → 1st (first)
- 2 (two) → 2nd (second)
- 3 (three) → 3rd (third)
- 4 (four) → 4th (fourth)
このパターンを見ると、ある程度の規則性があることがわかります。1には「st」、2には「nd」、3には「rd」、それ以外の数字には「th」を付けるというルールです。
初学者がよく抱く疑問
このルールを理解した学習者は、次に11、12、13を見たとき、当然このように考えるでしょう:
- 11(eleven)は1で終わるから → 11st?
- 12(twelve)は2で終わるから → 12nd?
- 13(thirteen)は3で終わるから → 13rd?
しかし実際には、これらはすべて「th」を使って:
- 11th (eleventh)
- 12th (twelfth)
- 13th (thirteenth)
となるのです。これは多くの英語学習者にとって「最初の混乱ポイント」の一つです。なぜならルールが突然変わるからです。
英語序数詞の正しいルール
混乱を解消するために、英語の序数詞の完全なルールを説明しましょう。実は、思っているよりも論理的なパターンがあります。
基本的な序数詞の付け方
英語の序数詞の基本ルールは次の通りです:
- 1で終わる数字には「st」を付ける(例外あり)
- 2で終わる数字には「nd」を付ける(例外あり)
- 3で終わる数字には「rd」を付ける(例外あり)
- 上記以外の数字には「th」を付ける
11、12、13の特別ルール
ここで重要な例外が登場します:11、12、13は特別扱いされ、常に「th」を使います。
- 11 → 11th (eleventh)
- 12 → 12th (twelfth)
- 13 → 13th (thirteenth)
この例外は11、12、13だけに適用されます。111、212、313なども同様です。
- 111 → 111th
- 212 → 212th
- 313 → 313th
21以降の数字のルール
21以降の数字では、通常のルールに戻ります:
- 21 → 21st (twenty-first)
- 22 → 22nd (twenty-second)
- 23 → 23rd (twenty-third)
- 24 → 24th (twenty-fourth)
このパターンは31、41、51…と続く数字でも同様です。ただし、注意すべきは111、112、113など、「11」「12」「13」を含む3桁以上の数字です。これらは常に「th」になります。
なぜ11、12、13は例外なのか?
なぜ11、12、13だけが特別な扱いを受けるのでしょうか?この疑問に対する答えはいくつかの観点から考えることができます。
発音の理由
最も実用的な理由は発音にあります。「11st」「12nd」「13rd」という表記は発音しづらいのです。特に「11st」を「elevenfirst」または「elevenst」と発音するのは不自然です。
英語では、11(eleven)、12(twelve)、13(thirteen)はそれぞれ固有の単語として発達しました。特に13以降の「teen」で終わる数字(thirteen, fourteen, fifteen…)は特別なパターンを持っています。
こうした発音上の理由から、11、12、13には「th」が付くようになり、「eleventh」「twelfth」「thirteenth」という表現が定着したのです。
歴史的な背景
英語の数詞システムには古い歴史があります。古英語や中英語の時代から発展してきた中で、特定のパターンが形成されました。11や12は特に古い言語から独自の形で継承されてきました。
元々の英語(古英語)では、1から10までの数字は完全に異なる単語でした。11と12も同様に固有の単語で、「one left after ten」「two left after ten」という意味合いを持っていました。13以降の数字は比較的後になって「3+10」「4+10」という形で体系化されました。
この歴史的背景により、11、12、13は特別な扱いを受けるようになったのです。
言語の不規則性
言語学者はよく言います:「言語は完全に論理的ではない」と。英語に限らず、どの言語も完璧な論理体系ではなく、歴史、発音のしやすさ、慣習などが複雑に絡み合って形成されています。
序数詞の不規則性もその一例です。「11st」「12nd」「13rd」のように、一見論理的に思える形式よりも、「11th」「12th」「13th」という発音しやすい形式が優先されたのです。
このような不規則性は言語習得の難しさを増す要因ですが、同時に言語の自然な発展と豊かさを示すものでもあります。
序数詞の間違いがプログラミングで起こる理由
興味深いことに、この序数詞の例外ルールはプログラミングの世界でもしばしば問題を引き起こします。
プログラマーがよく陥る罠
プログラマーがデータを表示するとき、例えば日付や順位を表示する際に、序数詞の接尾辞を自動的に付けるコードを書くことがあります。シンプルな実装では、次のようなロジックになるでしょう:
if (number % 10 == 1) return "st";
if (number % 10 == 2) return "nd";
if (number % 10 == 3) return "rd";
return "th";
しかし、このコードは11、12、13を適切に処理できません。なぜなら、これらの数字は「1で終わる→st」「2で終わる→nd」「3で終わる→rd」というシンプルなルールに従わないからです。
実際のバグ事例
実際に、この種のバグは多くのソフトウェアで見られます。GitHubで公開されている「ulogme」というソフトウェアでは、日付表示に「October 11st, 12nd, 13rd」と誤って表示されるバグが報告されています。
このようなエラーは「off-by-one error(1だけずれたエラー)」の一種と考えられることもあり、プログラミングにおける既知の問題パターンです。単に言語のルールを知らないか、例外処理を忘れたことによって発生します。
正しいコードでは、11、12、13の例外を明示的に処理する必要があります:
if (number % 100 >= 11 && number % 100 <= 13) return "th";
if (number % 10 == 1) return "st";
if (number % 10 == 2) return "nd";
if (number % 10 == 3) return "rd";
return "th";
序数詞を確実に覚えるコツ
英語の序数詞をしっかり覚えるために、いくつかの効果的な方法を紹介します。
実用的な記憶法
- 基本ルールを覚える:
- 1で終わる数字 → st(例外:11)
- 2で終わる数字 → nd(例外:12)
- 3で終わる数字 → rd(例外:13)
- それ以外 → th
- 例外を意識する:
- 11、12、13およびこれらを含む数字(111、112、113など)はすべて「th」
- 発音で覚える:
- 「first」「second」「third」の発音を意識する
- 「eleventh」「twelfth」「thirteenth」の発音の流れを感じる
- 日付練習:
- カレンダーを見ながら日付を序数詞で読む練習をする
- 「January 1st」「February 2nd」「October 11th」など
楽しく学ぶための練習問題
次の数字の正しい序数詞形を考えてみましょう:
- 21 → (21st)
- 22 → (22nd)
- 33 → (33rd)
- 111 → (111th)
- 112 → (112th)
- 123 → (123rd)
このような練習を通じて、徐々に序数詞のパターンに慣れていくことができます。日常的に使うことで、自然と正しい形が身についていきます。
英語の序数詞が使われる場面
序数詞は日常英会話や文書の中で頻繁に使われます。どのような場面で使われるのか見てみましょう。
日付表現
最も一般的な使用場面は日付です:
- January 1st (1月1日)
- May 3rd (5月3日)
- December 25th (12月25日)
ここで注意すべきは、アメリカ英語とイギリス英語での日付の書き方の違いです。アメリカ英語では「月・日・年」、イギリス英語では「日・月・年」の順に書きます。
順位や位置の表現
競争や順位を表す場合:
- She finished 1st in the race. (彼女はレースで1位になった)
- He got the 3rd prize. (彼は3位の賞を獲得した)
- This is my 2nd attempt. (これは私の2回目の試みです)
歴史的イベントや時代
歴史的な時代や世紀を表す場合:
- The 19th century (19世紀)
- The 21st century (21世紀)
- The 2nd World War (第二次世界大戦)
その他の日常表現
- It’s my daughter’s 5th birthday. (娘の5歳の誕生日です)
- This is the 10th time I’ve told you. (これであなたに10回目を言ったことになります)
- Turn to the 3rd page. (3ページ目を開いてください)
なぜこの疑問が興味深いのか
「11st、12nd、13rd」という疑問は、単なる学習上の混乱ポイントにとどまらず、言語学的にも興味深いテーマです。
言語の論理と不規則性
言語は完全に論理的なシステムではありません。むしろ、歴史的な発展、発音のしやすさ、社会的な慣習など、様々な要因が複雑に絡み合って形成されています。
序数詞の例外ルールは、言語がどのように進化し、時には「不完全」な形で定着するかを示す良い例です。完全に論理的なシステムよりも、使いやすさや発音のしやすさが優先されることがあるのです。
言語学習と認知プロセス
この種の例外を学ぶプロセスは、私たちの脳がどのようにルールと例外を処理するかという認知的な側面も持っています。人間の脳はパターン認識が得意ですが、同時に例外処理も行う必要があります。
英語学習者が「なぜ11st, 12nd, 13rdではないのか」と疑問に思う瞬間は、まさにこの認知プロセスが働いている証拠です。ルールを理解し、次に例外を学び、最終的には両方を統合して言語体系を作り上げていくのです。
まとめ
英語の序数詞における「11st、12nd、13rd」という素朴な疑問は、多くの学習者が通る道です。この記事では、なぜ正しくは「11th、12th、13th」なのかを詳しく解説しました。
要点をおさらいしましょう:
- 英語の序数詞の基本ルールは、1→st、2→nd、3→rd、その他→thです
- 11、12、13(および111、112、113など)は例外で、常に「th」を使います
- この例外は主に発音のしやすさと歴史的な理由によるものです
- プログラマーもこの例外を見落としがちで、ソフトウェアでバグが発生することがあります
- 序数詞を覚えるためには、基本ルールと例外を意識し、実際に使う練習が効果的です
言語の「なぜ?」を探求することは、単に正しい使い方を学ぶだけでなく、言語の豊かさや発展の歴史を理解することにつながります。「11st、12nd、13rd」という素朴な疑問が、英語という言語への理解と興味を深める一歩になれば幸いです。
英語学習の道のりは長く、時に混乱することもありますが、こうした小さな「なぜ?」を大切にしながら、言語の面白さを発見していきましょう。完璧な論理性よりも、言語の自然な発展や慣習を受け入れることが、流暢な言語使用への近道かもしれません。