料理中に「あれ?青唐辛子がない!」と困った経験はありませんか?エスニック料理や和食の味付けに欠かせない青唐辛子ですが、スーパーで見つからないことも多い食材です。今回は、手元に青唐辛子がないときに役立つ代用品と、それぞれの特徴や使い方について詳しく解説します。
青唐辛子とは?基本情報と特徴
青唐辛子の基本情報
青唐辛子は中南米原産のナス科トウガラシ属の野菜で、唐辛子が完熟して赤くなる前に収穫されたものです。日本では夏が旬で、6月から10月頃に出回ることが多い食材です。見た目はししとうに似ていますが、辛味が特徴です。
東南アジアのカレーやメキシコのサルサソースなど、世界各国の料理で使われているほか、日本では柚子胡椒や青唐辛子味噌などの調味料、醤油漬けや酢漬けなどの保存食としても活用されています。
青唐辛子の特徴
青唐辛子の特徴は、その爽やかでフレッシュな辛味にあります。赤唐辛子と異なり、加熱すると辛味が和らぐ性質があります。つまり、生のまま使うと辛味が強く、加熱すると辛さが控えめになるため、料理によって使い分けることができる便利な食材です。
赤唐辛子と青唐辛子を比較すると、一般的に赤唐辛子の方が辛いと言われています。これは唐辛子が成熟するにつれて辛味成分であるカプサイシンが増えるためです。また、赤唐辛子は加熱するとさらに辛味が増すという特徴があります。
なお、一口に青唐辛子と言っても、様々な品種があり、辛さが穏やかなものから激辛のものまであります。日本では万願寺唐辛子や杉谷とうがらしなどの比較的辛味の少ない品種も流通しています。
青唐辛子の代用品9選
青唐辛子が手に入らない場合、以下の食材で代用することができます。料理の目的や好みに合わせて選んでみてください。
1. 赤唐辛子(鷹の爪)
特徴: 青唐辛子が熟して赤くなったもので、辛味が強いのが特徴です。乾燥させたものが一般的で、保存性に優れています。
使い方: 青唐辛子より辛いため、量を調整して使いましょう。刻んで使う場合は、青唐辛子の半分〜3分の1程度の量がおすすめです。また、加熱すると辛さが増すため、調理時間にも注意が必要です。
向いている料理: 炒め物や煮込み料理など、しっかりした味付けの料理に適しています。シンプルな和食には辛さや色味が強すぎる場合があるため注意が必要です。
2. 柚子胡椒
特徴: 青唐辛子と柚子の皮を塩と一緒に練り上げた九州の伝統的な調味料です。爽やかな柑橘の香りと辛味が特徴で、市販品も多く出回っています。
使い方: 完成された調味料なので、そのまま料理に加えるだけで使えます。青唐辛子のピリッとした辛さに柚子の香りがプラスされた味わいが楽しめます。
向いている料理: 鍋物や焼き魚、刺身などの和食はもちろん、パスタやスープなどの洋食、さらにはタイ料理のグリーンカレーの代用品としても使えます。個性が強いため、少量から試すのがおすすめです。
3. ししとう
特徴: 青唐辛子と同じナス科トウガラシ属の野菜で、見た目が似ていますが辛味が少ないのが特徴です。ただし、まれに辛いものが混じることもあります。
使い方: 辛味よりも食感や彩りを楽しむ場合の代用品として適しています。辛味を出したい場合は、他の辛味調味料と組み合わせると良いでしょう。
向いている料理: 炒め物や天ぷらなど、青唐辛子の食感や見た目を活かした料理に向いています。
4. ハラペーニョ
特徴: メキシコ原産の青唐辛子で、ピーマンに似た肉厚な食感が特徴です。辛さは中程度で、生食やピクルスにして食べられることが多いです。
使い方: 種とワタを取り除くと辛さを調整できます。缶詰や瓶詰のものも手に入りやすいため、常備しておくと便利です。
向いている料理: メキシカン料理やテックスメックス料理、サルサソースなどに最適です。肉厚な食感を活かして肉詰めにしたり、刻んでサラダやタコスのトッピングにしたりできます。
5. プリッキーヌ
特徴: タイ原産の小さな青唐辛子で、見た目の可愛らしさとは裏腹に非常に辛いのが特徴です。タイ料理には欠かせない食材です。
使い方: 辛さが強いため、青唐辛子より少ない量で使用します。トムヤムクンなどのタイ料理の本格的な味わいを再現したい場合におすすめです。
向いている料理: タイカレーやトムヤムクンなどのタイ料理、エスニック風の炒め物に適しています。
6. ピーマン・パプリカ
特徴: ナス科の野菜で、辛みはほとんどなく、甘みがあるのが特徴です。彩りや食感を重視する場合に使えます。
使い方: 辛みではなく、青唐辛子の見た目や食感を再現したい場合に使用します。別途辛味を加えるなどの工夫が必要です。
向いている料理: 炒め物や詰め物など、辛さよりも野菜の存在感や彩りを重視する料理に向いています。
7. 一味唐辛子・七味唐辛子
特徴: 一味唐辛子は唐辛子を粉末にした調味料、七味唐辛子はそこに山椒や胡麻などを加えた和風スパイスです。
使い方: 完成された調味料なので、料理の仕上げに振りかけたり、調理中に少量ずつ加えたりして使います。
向いている料理: うどんやそばなどの麺類、鍋物、和風の炒め物など、幅広い料理に使えます。七味唐辛子は風味が強いため、その香りを楽しみたい料理に向いています。
8. 豆板醤
特徴: 中国の四川省発祥の唐辛子と豆などを発酵させた調味料で、辛味と旨味が豊かです。
使い方: そのまま炒め物に加えたり、他の調味料と合わせてタレやソースを作ったりします。
向いている料理: 麻婆豆腐や回鍋肉などの中華料理、ピリ辛のアジア風炒め物に最適です。
9. タバスコなどの液体ホットソース
特徴: 唐辛子を酢などに漬け込んだ液体調味料で、辛味と酸味が特徴です。
使い方: 完成された料理にかけたり、調理中に少量ずつ加えたりして使います。
向いている料理: ピザやパスタ、サンドイッチなどの洋食、タコスやブリトーなどのメキシカン料理に向いています。
料理別・青唐辛子の代用法
和食での代用
和食で青唐辛子を使う代表的な例として、青唐辛子味噌や醤油漬けなどがあります。これらを作る際には、ししとうや赤唐辛子、一味唐辛子などが代用品として適しています。
青唐辛子味噌の代用例: ししとうを細かく刻み、味噌、砂糖、みりんなどと合わせて炒めれば、青唐辛子味噌に近い風味の調味料ができます。辛さが足りない場合は、一味唐辛子を少量加えると良いでしょう。
醤油漬けの代用例: 赤唐辛子を輪切りにし、醤油に漬け込んで使います。赤唐辛子は青唐辛子より辛いため、量を調整して使いましょう。
エスニック料理での代用
タイ料理やメキシコ料理などのエスニック料理では、青唐辛子の代わりにハラペーニョやプリッキーヌ、柚子胡椒などが使えます。
タイカレーの代用例: タイのグリーンカレーには青唐辛子が欠かせませんが、柚子胡椒を使うことで代用できます。柚子胡椒の柑橘の香りと辛みが、タイカレーのさわやかな風味を再現してくれます。
メキシカン料理の代用例: サルサソースやタコスなどのメキシカン料理には、ハラペーニョが最適です。缶詰や瓶詰のピクルスタイプも便利に使えます。
中華料理での代用
麻婆豆腐や回鍋肉などの中華料理では、豆板醤や赤唐辛子が青唐辛子の代用として使えます。
麻婆豆腐の代用例: 青唐辛子の代わりに豆板醤を使うことで、深みのある辛さと旨味を料理に加えることができます。
青唐辛子の代用品を活用したおすすめレシピ
柚子胡椒で作る簡単グリーンカレー
タイの定番料理であるグリーンカレーを、青唐辛子の代わりに柚子胡椒を使って簡単に作れます。
材料(2人分):
- 鶏もも肉:200g
- ナス:1本
- パプリカ(赤・黄):各1/2個
- ココナッツミルク:200ml
- 柚子胡椒:大さじ1
- ナンプラー:大さじ1
- 砂糖:小さじ1
- サラダ油:適量
- バジルの葉:適量
作り方:
- 鶏もも肉は一口大に切り、ナスとパプリカも食べやすい大きさに切ります。
- フライパンに油を熱し、鶏肉を炒めます。
- 鶏肉に火が通ったら、ナスとパプリカを加えて炒めます。
- ココナッツミルク、柚子胡椒、ナンプラー、砂糖を加えて煮込みます。
- 野菜が柔らかくなったら、バジルの葉を加えて完成です。
柚子胡椒の爽やかな香りと辛味が、グリーンカレーの風味によく合います。本格的なグリーンカレーペーストがなくても、家庭にある柚子胡椒で気軽に作れるのが魅力です。
ししとうと赤唐辛子で作る簡単青唐辛子味噌
青唐辛子味噌は様々な料理に使える万能調味料です。青唐辛子がない場合は、ししとうと赤唐辛子を組み合わせて代用できます。
材料:
- ししとう:10本
- 乾燥赤唐辛子:1〜2本(お好みの辛さで調整)
- 味噌:大さじ3
- 砂糖:大さじ1
- みりん:大さじ1
- ごま油:小さじ1
- 白いりごま:小さじ1
作り方:
- ししとうはヘタを取り除き、細かく刻みます。
- 赤唐辛子も種を取り除いて細かく刻みます。
- フライパンにごま油を熱し、ししとうと赤唐辛子を炒めます。
- しんなりしてきたら、味噌、砂糖、みりんを加えて炒め合わせます。
- 水分が飛んでとろみが出てきたら、白いりごまを加えて完成です。
豆腐にのせたり、野菜の和え物に使ったり、ご飯のお供にしたりと様々な使い方ができます。赤唐辛子の量を調整することで、お好みの辛さに仕上げられます。
ハラペーニョを使ったメキシカンサルサ
メキシコ料理の定番調味料であるサルサソースを、青唐辛子の代わりにハラペーニョを使って作ります。
材料:
- トマト:2個
- 玉ねぎ:1/4個
- ハラペーニョ(缶詰可):1個
- にんにく:1片
- コリアンダー(パクチー):適量
- ライムまたはレモン汁:大さじ1
- 塩:少々
- オリーブオイル:小さじ1
作り方:
- トマトはざく切り、玉ねぎとにんにくはみじん切り、ハラペーニョも細かく刻みます。
- コリアンダーは粗みじん切りにします。
- すべての材料をボウルに入れて混ぜ合わせ、塩、ライム汁、オリーブオイルで味を調えます。
- 冷蔵庫で30分ほど休ませてから、トルティーヤチップスやタコスと一緒に楽しみます。
ハラペーニョはピクルスタイプを使うと手軽に作れます。辛さが気になる場合は、種とワタを取り除いたり、量を調整したりしましょう。
青唐辛子を使う際の注意点
青唐辛子や代用品を使う際には、いくつか注意点があります。
辛さの調整方法
どの代用品を選ぶにしても、まずは少量から試して、料理中に味見をしながら辛さを調節しましょう。辛すぎる場合は、以下の方法で辛さを和らげることができます。
- 種とワタを取り除く: 唐辛子の辛味成分は主に種とワタの部分に含まれているため、これらを取り除くことで辛さを抑えられます。
- 加熱時間を長くする: 青唐辛子は加熱すると辛さが和らぐ性質があります。十分に加熱することで辛さが緩和されます。
- 他の材料と組み合わせる: 乳製品や甘味のある食材と組み合わせると、辛さが中和されます。
扱い時の注意
唐辛子類を扱う際には、手や目に辛味成分が付着しないよう注意が必要です。
- 手袋を着用する: 青唐辛子や代用品を切る際は、使い捨ての手袋を着用すると安全です。
- 調理後の手洗い: 素手で触った場合は、石鹸でしっかり手を洗いましょう。
- 顔や目を触らない: 調理中は顔や目を触らないよう注意しましょう。
- 換気を良くする: 唐辛子を炒める際は、辛い成分が空気中に広がることがあるため、換気を良くしましょう。
まとめ
青唐辛子が手に入らない場合でも、様々な食材で代用することができます。料理の目的や好みに合わせて、最適な代用品を選びましょう。
- 辛味重視なら赤唐辛子やプリッキーヌ
- 和風の味わいなら柚子胡椒や一味唐辛子
- メキシカン料理ならハラペーニョ
- 中華料理なら豆板醤
どの代用品も、量の調整や調理法の工夫で、青唐辛子に近い味わいを再現できます。この記事を参考に、家庭にある食材で青唐辛子不足を乗り切りましょう!
最後に、青唐辛子は夏が旬の食材ですが、冷凍保存も可能です。手に入ったときにまとめて購入し、冷凍しておけば、オフシーズンでも本物の青唐辛子を楽しめます。青唐辛子の爽やかな辛味を活かした料理で、食卓を楽しく彩りましょう。