
ロードバイクの印象を劇的に変えるなら、バーテープの2色巻きが最適です。色の組み合わせや巻き方次第で、愛車に唯一無二の個性を宿すことができます。この記事では、初心者でも挑戦しやすい「ハーフ&ハーフ」から、職人技が光る「忍者巻き」まで、美しく仕上げるための手順を詳しく解説します。
2色のバーテープで自分だけの一台に。準備と全体像の把握
ハンドル周りのカラーリングを2色で彩るカスタマイズは、機能性とデザイン性を両立させる魅力的な手法です。作業をスムーズに進めるためには、事前の準備が欠かせません。まずは古いテープを剥がし、パーツクリーナーでハンドルを脱脂することから始めましょう。
準備する道具は、お好みの2色のバーテープ、端を整えるためのハサミ、固定用のビニールテープ、そして下地を清めるパーツクリーナーです。特にビニールテープは、バーテープの色に合わせたものや、粘着剤が残りにくい高品質なものを選ぶと仕上がりの美しさが格段に向上します。
2色巻きには大きく分けて2つのスタイルがあります。ブラケット付近で色を切り替える「ハーフ&ハーフ」は、シンプルながらも色の対比を強く打ち出せるスタイルです。もう一つは、2本のテープを交互に重ねて幾何学模様を作る「忍者巻き」で、こちらは非常に高い装飾性が魅力となります。
古いバーテープを剥がし、糊の跡をパーツクリーナーで綺麗に拭き取る
ブラケットカバーをめくり、ワイヤーの固定に緩みがないか確認する
選んだスタイルに合わせて、2色のバーテープを配置し巻き始める
💡 初めての方は、構造がシンプルな「ハーフ&ハーフ」から挑戦するのがおすすめです。
センスが光るカラーコーディネート。2色選びのポイント
バーテープを2色にする醍醐味は、愛車の表情を一変させるデザイン性と、走りに合わせた機能性を両立できる点にあります。まずは基本となる、フレームカラーとの相性から検討を始めましょう。
車体のメインカラーに近い色を1色選び、もう1色に白や黒の無彩色を添えると、全体が引き締まり洗練された印象になります。一方、視線を奪うダイナミックな演出を狙うなら、補色(反対色)の活用が非常に効果的です。
青いフレームにオレンジ、赤いフレームに緑など、色相環で向かい合う色を配置することで、ハンドル周りに強烈な個性が宿ります。さらに2色巻きでは、見た目だけでなく異なる素材感の組み合わせも楽しむことができます。
例えば、ロングライドでの疲れを軽減するために、フラットな上部はクッション性重視の厚手テープを選び、スプリントで握り込む下部はグリップ重視の薄手テープを巻くといった、合理的な使い分けが可能です。
💡 購入前に、太陽光の下でテープをフレームに当てて色の見え方を確認してみましょう。
スタイル1:初心者でも簡単。ブラケットで色を変える「上下分け」の巻き方
上下で色を分ける「ハーフ&ハーフ」は、視覚的なインパクトと作業のしやすさを両立したスタイルです。まずは下ハンドル用のテープを手に取り、バーエンドから巻き始めの準備を整えましょう。
下ハンドルからの巻き始め手順は、バーの末端でテープを少し余らせて内側へ織り込むのが定石です。エンドキャップで固定することで、2色巻きの土台となる美しい始点を作ることができます。外側から内側へ、一定のテンションを保ちながらブラケット方向へ巻き進めます。
ブラケットを境界線にすることで、テープの継ぎ目をブラケットカバーの内側に隠すことができます。これにより、外見からは1本のテープが自然に色を変えたかのような、洗練された表情が生まれます。
下ハンドルからブラケットの付け根まで巻き、テープを斜めにカットしてビニールテープで仮止めする。
ブラケット部分でのテープの切り替え方法として、新しい色のテープを既存のテープに少し重ねて巻き始める。
レバーのクランプバンドが露出しないよう、付属の隠しテープの活用を忘れずに行い隙間を埋める。
このスタイルの完成度を左右するのは、左右の色の高さを揃えるコツにあります。目分量ではなく、ブラケットの刻印や地面からの高さを基準にし、左右交互に巻き進めることで視覚的なシンメトリーを追求しましょう。
💡 テープをカットする前にブラケットカバーを一度戻し、継ぎ目が隠れるか確認すると失敗を防げます。

スタイル2:職人技の幾何学模様。2色を編み込む「忍者巻き」の極意
忍者巻き(Ninja Wrap)、あるいは欧米でハルクイン・ラップ(Harlequin Wrap)と呼ばれるこの手法は、2色のテープを交互に交差させて美しい幾何学模様を描き出す高度な装飾技法です。
単に色を分けるだけでなく、ハンドルを握るたびに職人技を感じさせる立体的な仕上がりが魅力です。この巻き方の原理は、2本のテープを「たすき掛け」のように交差させ、表に出る菱形の大きさを均一に揃えることにあります。
エンド部分で2色のテープを重ならないよう固定し、左右交互に斜め上へと引き上げます。
1色目のテープを巻いた上から、2色目を反対方向に交差させ、2本のテープを交互に重ねる手順を繰り返します。
交差するポイントが常に直線のラインを描くよう、テンションを一定に保ちながらブラケットまで進めます。
一般的な厚手のクッションテープでは、重なり部分が盛り上がりすぎて握り心地を損ねるため、薄手のコットンテープ等を強く推奨します。手間はかかりますが、完成した際の密度と色彩のコントラストは、まさに唯一無二の存在感を放ちます。
💡 均一な菱形を作るため、最初は要らなくなった古いハンドルなどで交差の間隔や重なり具合を練習してみましょう。
緩みや隙間を防ぐ。2色巻きを美しく見せるプロのテクニック
2色のバーテープを巻く際、最も美しさを左右するのは表面の平滑さと均一なリズムです。
単色よりも色の対比が強調されるため、わずかなズレや重なりの乱れが全体の完成度を大きく左右してしまいます。
まずは適切なテンション(引っ張り具合)を常に一定に保つことが、緩みを防ぎプロのような質感を生む大原則です。
重なりの幅を一定にする方法として、テープの裏側にあるセンターラインやロゴをガイドラインとして活用しましょう。
一般的にはテープ幅の3分の1程度を重ねるのが理想とされ、このリズムが崩れると2色の境界線が歪んで見えてしまいます。
特に難所となるのがハンドルが大きく曲がる箇所ですが、焦らず慎重にコマを進める必要があります。
曲線部分でのシワの寄せ方は、ハンドルの内側をあえて密に重ね、外側を扇状に広げるように調整するのがコツです。
指の腹でシワを押し潰すように馴染ませながら、テープの厚みが均一になるよう意識して進めてください。
2色のテープが交差する部分は特に厚みが出やすいため、重なりが重なりすぎないよう微調整を繰り返しましょう。
💡 巻き終わるまで手を離さず、常に一定の力をかけ続けることが成功の近道です。
細部まで隙なし。末端処理とエンドキャップの仕上げ術
2色のバーテープを丁寧に巻き上げても、末端の処理が甘ければ全体の印象が崩れてしまいます。特に異なる色や素材を組み合わせる場合、フィニッシュの美しさがプロのような仕上がりを分ける境界線となります。
最後にハンドルへ固定する際、テープが重なって厚みが出すぎないよう注意が必要です。以下の手順で、緩みのない美しい終着点を作り上げましょう。
巻き終わりの位置で、ハンドルバーに対して垂直な断面になるよう斜めカットの角度を調整します。
切り口を整えたら、まずはビニールテープ(電気絶縁テープ)で数回巻き、緩まないよう固定します。
仕上げに、ベタつきにくく質感の良い自己融着テープを活用すると、より高級感のある仕上がりになります。
最後の仕上げとして、エンドキャップの確実なはめ込みも欠かせません。巻き始めのテープの余りをハンドル内側へ均等に押し込み、キャップを真っ直ぐに叩き込むことで、走行中の脱落を確実に防ぎます。
断面を整える斜めカットの角度をハンドルと並行に意識するだけで、テープの段差が消えて握り心地も格段に向上するはずです。
💡 ビニールテープの末端を角丸に切っておくと、剥がれにくくなり耐久性が増します。

お気に入りのスタイルを長く保つ。メンテナンスと交換時期
苦労して巻き上げた2色のバーテープは、その美しさを一日でも長く維持したいものです。しかし、異なる色を組み合わせるスタイルでは、単色以上に汚れの目立ちやすさが課題となります。特に「白系」のテープを一部に取り入れた場合、手垢や泥跳ねがコントラストによって強調され、放置すると全体の清潔感が損なわれてしまいます。
日々のケアとしては、走行後に硬く絞った布で表面を拭くのが基本です。汚れが定着してしまった際は、薄めた「中性洗剤」を布に含ませて優しく叩くようにクリーニングしましょう。強くこすりすぎると、2色の境界線や編み込み部分に負担がかかり、ズレや剥がれの原因になるため注意が必要です。
交換のタイミングを見極める「劣化のサイン」も見逃せません。表面に「破れ」が生じたり、握ったときの「弾力低下」を感じたりしたら、それは素材の寿命です。2色巻きは重なり部分に厚みが出やすいため、クッション性が失われると急激に握り心地が悪化します。理想のスタイルを保つためにも、半年から一年を目安に巻き直すのがベストです。
💡 白いテープ部分には、事前に撥水スプレーを軽く吹いておくと汚れの固着を防げます。
