
取引先や上司から「打ち合わせの日程ですが、10日(火)と14日(金)のご都合はいかがでしょうか」といったメールが届いたとき、返信を書きながらふと手が止まってしまうことはありませんか?
「どちらの日も空いているけれど、『両日とも』と『両日ともに』のどっちが丁寧なんだろう?」
「そもそも日付が連続していないバラバラの日程なのに『両日』って使っていいのかな…」
「予測変換で『両日共』と漢字が出たけれど、ひらがなとどちらが正解?」
このように、いざビジネスメールで送ろうとすると意外と迷うポイントが多い言葉です。
結論からお伝えすると、「両日とも」は連続していないバラバラの2日間(飛び石日程)に対しても使える正しい日本語表現であり、ビジネス文書ではひらがなで「両日とも(両日ともに)」と表記するのが公用文の原則です。
この記事の要約・ポイント
* 「両日とも」「両日ともに」の違い:どちらも丁寧ですが、「両日ともに」の方がより改まった格調高いトーンになります。
* 「両日共」より「両日とも(ひらがな)」が正解:文化庁の公用文表記ルールにおいて、副助詞の「とも」はひらがな表記が標準です。
* 連続していないバラバラの日程でも使える:日付が離れていても、提示された候補が「2つの日」であれば問題なく「両日とも」と言えます。
* コピペで使える返信メール例文付き:両方OK・片方のみOK・両方都合がつかず別日程を提案するメールテンプレートを完全網羅。
「両日」「両日とも」「両日ともに」の意味と丁寧さの違い早見表
まずは基本となる「両日」「両日とも」「両日ともに」「両日共」の4つの表現について、それぞれの意味とビジネスシーンでの丁寧さ(フォーマル度)の違いを確認しておきましょう。
| 表現 | 意味・文法上の役割 | フォーマル度 | 適した相手・使用シーン |
|---|---|---|---|
| 両日(りょうじつ) | 「両方の日」「2つの日」を指す名詞 | ★★☆ | 日程そのものを客観的に指す場合(「〇日・△日の両日」など) |
| 両日とも | 両日+副助詞「とも」(どちらの日も漏らさず) | ★★★ | 社内外の一般的なビジネスメール、日程調整の回答全般 |
| 両日ともに | 両日+副助詞「とも」+格助詞「に」(より文語的・丁寧) | ★★★★ | 取引先・目上の相手への改まったメール、案内状・公式文書 |
| 両日共(漢字表記) | 「とも」を漢字変換したもの(※公用文ではひらがな推奨) | ★☆☆ | 予測変換で出やすいが、ビジネスメールではひらがな表記が無難 |
表の通り、通常の社内連絡や一般的な取引先へのメールであれば「両日とも」で十分に礼儀正しい印象を与えられます。
さらに重要な役員・顧客や目上の方に対して、一歩へりくだった丁寧なトーンを出したいときには「両日ともに」を選ぶと、より格調高い美しい響きになります。
なぜ「両日」単体ではなく「とも」を添えるのか
辞書(『デジタル大辞泉』や『新明解国語辞典』など)を引くと、「両日」は「両方の日。2日間。」と定義されています。つまり、「両日」単体では単に「2つの日」という名詞を指しているだけで、「どちらの日も該当する」という強調のニュアンスまでは含まれていません。
そこに「どちらも残らず」「両方そろって」という意味を添える副助詞の「とも」を組み合わせることで、初めて「ご提案いただいた2日間のうち、どちらの日であっても大丈夫です」という明確な意思表示になります。
- 「両日参加できません」:意味は通じるものの、少しぶっきらぼうで冷たい印象になりやすい
- 「両日とも参加できません」:「提示された2つの日のどちらも都合がつかない」という事実がはっきりと伝わり、文章としての納まりも自然になる
日程調整のやり取りでは、双方の認識のズレを防ぐことが何より大切です。「とも」を一言添えるだけで、受け取る側の安心感が大きく変わります。
「両日共(漢字)」と「両日とも(ひらがな)」はどちらが正しい?
パソコンやスマートフォンで「りょうじつとも」と入力すると、変換の第一候補に「両日共」と漢字変換されることがよくあります。
そのため「漢字で書いた方がかしこまって見えるのでは?」と迷う方も多いのですが、ビジネスメールや公用文ではひらがなで「両日とも」「両日ともに」と書くのが正しいルールです。
その根拠となるのが、文化庁が策定している『公用文作成の考え方』および『常用漢字表』の原則です。公用文のルールでは、名詞の後ろについて「〜もまた同じ」「いずれも」といった意味を添える副助詞の「とも(共に)」は、漢字ではなくひらがなで表記することが定められています。
- 推奨される表記(ひらがな):「両日とも都合がつきます」「男女ともに参加可能です」
- 避けた方がよい表記(漢字):「両日共都合がつきます」(漢字が連続して視覚的にも窮屈で読みにくい)
漢字が3文字連続すると、パッと画面を見たときに硬く詰まった印象を与えてしまいます。読み手の視線に配慮するためにも、ひらがなで「両日とも」と開いて書くのがスマートな大人のマナーです。
バラバラの日程(飛び石)でも「両日とも」は使える?
日程調整の返信で非常に多くの方が悩むのが、「10日(月)と14日(金)のように、日付が連続していない2日間に対しても『両日とも』を使っていいのか?」という点です。
連続していない2日間でも問題なく使える言語学的理由
結論から言うと、日付が離れているバラバラの2日間(飛び石の日程)であっても、「両日とも」を何の問題もなく使用できます。
「両日」という言葉を「連続した2日間(1泊2日や土日など)」と狭く捉えてしまいがちですが、言葉の本来の意味はあくまで「挙げられた2つの日(両方の日)」です。
相手から「A日とB日のご都合はいかがでしょうか」と2つの候補日が提示されているのであれば、その2日間が同じ週の月曜と金曜であっても、極端な話「今月15日と来月10日」であっても、その2つの日を指して「両日とも」と表現して何ら違和感は生じません。
- 連続した日程の例:「10月15日(木)・16日(金)の件、両日とも終日空いております。」
- バラバラの日程の例:「ご提案いただいた10月12日(月)と10月16日(金)につきまして、両日とも参加可能でございます。」
このように、日程が離れていても堂々と使って大丈夫です。もしどうしても「日付が離れていることを強調したい」と感じる場合は、「ご提示いただいた2日程とも」「いずれの日程も」と言い換えると、さらにスッキリ伝わります。
候補日が3日以上ある場合は「いずれの日程も」へ言い換える
一点だけ注意したいのが、相手から提示された候補日が「3日以上」あるケースです。
「両日」の「両」は「ふたつ(2つ)」を意味する漢字ですので、相手から「10日・12日・15日の3日間のうちご都合はいかがでしょうか」と3つの候補を出されたときに「両日とも大丈夫です」と返してしまうと、「3日あるうちのどの2日間のことだろう?」と相手を大混乱させてしまいます。
候補日が3日以上ある場合は、以下のように言い換えましょう。
- 3日ともすべてOKの場合:「ご提示いただいたいずれの日程も(すべての日程で)調整可能です」
- 3日のうち特定の2日だけOKの場合:「ご提示いただいた日程のうち、10日(火)と12日(木)の両日とも対応可能です」
先に具体的な2つの日付を挙げてから「の両日とも」と受ける形にすれば、3日以上の候補から2日に絞り込む場面でも正確に意味が通じます。
「両日」の対義語は?片方の日だけ都合がつく時のスマートな言い方
日程調整をしていると、「2日間のうち両方ではなく、片方の日しか都合がつかない」「『両日』の反対語にあたる言葉で返信したい」という場面もよくあります。
場面に応じた適切な言い換え表現を一覧表にまとめました。
| 伝えたい状況 | 適切な言い換え表現 | ビジネスメールでの短いフレーズ例 |
|---|---|---|
| 2日のうち両方ともOK | 両日とも / 両日ともに / いずれの日も | ご提案の両日とも対応可能です。 |
| 2日のうち片方だけOK | 〇〇日のみ / いずれか一方の日 | 恐れ入りますが、15日(火)のみ参加可能です。 |
| 2日のうちどちらでもよい(1日選ぶ) | いずれかの日程 / どちらかご都合のよい日 | 両日とも空いておりますので、いずれかの日程でご指定ください。 |
| 2日ともNG(別の日を提案) | 両日とも都合がつかず / 別日程にて | あいにく両日とも先約があり、別日程でご相談できますでしょうか。 |
| 今日か明日のうちに(1〜2日中) | 一両日中(いちりょうじつちゅう) | 資料を確認のうえ、一両日中にご返信いたします。 |
特に「2日のうち片方の日だけ参加できる」という場合に、「片日(かたび)」のような言葉を使うのは現代のビジネス表現としては不自然です。
片方だけ都合がつくときは、無理に熟語を探そうとせず、「ご提案いただいた日程のうち、〇月〇日(曜)のみ参加可能でございます」と具体的な日付を明記するのが、相手にとっても最も親切でミスを防ぐ最善の方法です。
コピペで使える!「両日とも」の日程調整ビジネスメール返信例文集
状況に合わせて日付や時間帯を書き換えてそのまま使える、実践的なメールテンプレートです。
提案された2日間どちらも参加できる場合(両方OK)
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件名:Re: お打ち合わせ日程のご相談(株式会社〇〇・氏名)
〇〇株式会社
営業部 〇〇 様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
お打ち合わせの日程をご提案いただき、誠にありがとうございます。
ご提示いただいた【10月20日(火)】と【10月23日(金)】につきまして、両日ともに調整可能でございます。
当方の対応可能な時間帯は以下の通りです。
・10月20日(火):終日調整可能(10:00〜18:00)
・10月23日(金):13:00〜17:00
〇〇様のご都合のよろしい日時をご指定いただけますでしょうか。
お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
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提案された2日間のうち片方の日だけ参加できる場合
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件名:Re: お打ち合わせ日程のご相談(株式会社〇〇・氏名)
〇〇株式会社
営業部 〇〇 様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
お打ち合わせ日程のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
ご提示いただいた日程のうち、大変恐縮ながら【10月20日(火)】は先約がございまして、お時間を確保することが叶いません。
せっかくご提案いただきましたのに、誠に申し訳ございません。
もう一方の候補日である【10月23日(金)14:00〜17:00】であれば、ぜひお打ち合わせをお願いしたく存じます。
こちらの勝手を申し上げ大変恐縮ですが、上記日程にてご都合はいかがでしょうか。
ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
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提案された2日間どちらも都合がつかない場合(両方NG・代替日提示)
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件名:Re: お打ち合わせ日程のご相談(株式会社〇〇・氏名)
〇〇株式会社
営業部 〇〇 様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
お忙しい中、お打ち合わせ日程のご提案をいただき心より感謝申し上げます。
大変心苦しいのですが、あいにくご提示いただきました両日ともに終日別件の予定が入っており、都合をつけることが難しい状況でございます。
ご希望に沿えず、誠に申し訳ございません。
もしよろしければ、当方より別の日程を提案させていただきたく存じます。
以下の候補日の中で、〇〇様のご都合のよろしい日時はございますでしょうか。
・10月26日(月)13:00〜16:00
・10月28日(水)10:00〜15:00
・10月29日(木)終日可能
上記でご都合が合わない場合は、再度別の日程で調整いたしますので、ご遠慮なくお申し付けください。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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「両日とも」に関するよくある質問
「両日共々」という表現は日本語として正しいですか?
「共々(ともども)」は、「私共々よろしくお願いいたします」のように「〜と一緒に」という連れ立ちの意味を持つ言葉です。
日付に対して「両日共々」と使うのは誤用であり、不自然な日本語になります。必ず「両日とも」「両日ともに」を使いましょう。
「一両日中」とは具体的にいつまでのことですか?
「一両日中(いちりょうじつちゅう)」とは、「今日または明日中(1〜2日以内)」という意味です。
ビジネスで「一両日中にご連絡します」と言われた場合、基本的には「遅くとも明日の就業時間終了まで」を指します。もし3日以上かかる見込みであれば、「今週中」や具体的な「〇日(金)まで」と日付を明示するのがマナーです。
「両日とも」は、相手への敬意を保ちながらスマートにスケジュールを決定できる便利なビジネスフレーズです。ぜひ本記事の例文やルールを活用して、スムーズで好印象な日程調整を行ってください。

