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ラベンダーに似ている花12選 – 特徴と見分け方【完全ガイド】

「あれ?この紫色の花ってラベンダー?でも香りが違うような…」
散歩中や公園で見かける紫色の花穂、本当にラベンダーかどうか迷ったことはありませんか?実は、ラベンダーに見た目がそっくりなのに全く別の花という「ラベンダーそっくりさん」が数多く存在します
このガイドでは、ラベンダーに似た12種類の花を徹底解説。特徴や見分け方はもちろん、それぞれの花の育て方や活用法まで詳しくご紹介します。ガーデニング初心者からラベンダー愛好家まで、この記事を読めば「ラベンダーもどき」に惑わされることはなくなるでしょう!

ラベンダーと聞くと、その美しい紫色の花穂と爽やかな香りが思い浮かびますね。北海道の富良野のラベンダー畑は有名で、初夏になると多くの観光客が訪れます。しかし、散歩中や庭先でラベンダーに似た花を見かけたとき、「これって本当にラベンダー?それとも別の花?」と疑問に思ったことはありませんか?

この記事では、ラベンダーに似た花の種類や特徴、見分け方を詳しく解説します。ガーデニング愛好家からラベンダーの香りが好きな方まで、ぜひ参考にしてください。

ラベンダーの基本的な特徴

まずはラベンダーそのものの特徴を理解しましょう。これが、似た花との見分け方の基本になります。

ラベンダーは地中海沿岸を中心に生息するシソ科の植物で、「ハーブの女王」とも呼ばれています。古くからヨーロッパではバスタイムや洋服の香り付けなどに利用されてきた歴史があります。

ラベンダーの主な特徴

  • 花の色と形状: 主に紫色の小さな花が穂状に集まって咲きます。品種によっては白やピンクの花を咲かせるものもあります。
  • 草丈: 品種により20cmから130cmほどと幅があります。
  • 葉: 細長い灰緑色の葉で、全体的に白っぽい印象があります。
  • 香り: フローラルで爽やかな強い香りが特徴です。
  • 開花時期: 主に初夏(5月〜7月頃)に見頃を迎えます。
  • 環境: 高温多湿に弱く、日当たりと風通しの良い場所を好みます。

ラベンダーの主な種類

ラベンダーには多くの種類がありますが、大きく分けると以下の5つの系統に分類されます。

  1. アングスティフォリア系(イングリッシュラベンダー)
    最も一般的なラベンダーで、北海道でよく栽培されています。香りが強く、ドライフラワーに最適です。寒さに強い反面、高温多湿に弱いのが特徴です。
  2. ラバンジン系
    アングスティフォリア系とスパイクラベンダーの交配種で、大きな花穂と太めの茎が特徴です。香りも強く、暑さと寒さの両方に比較的強いため、日本の気候でも育てやすいといえます。
  3. ストエカス系(フレンチラベンダー)
    先端にウサギの耳のような苞葉がつく愛らしい花が特徴です。比較的高温多湿に強いため、梅雨のある地域でも育てやすいですが、寒さには弱めです。
  4. プテロストエカス系(レースラベンダー)
    葉に切れ込みが入ったレース状の美しい葉を持ち、四季咲き性があります。香りは他の系統より弱めで、寒さにはとても弱い特徴があります。
  5. デンタータ系
    ギザギザとした切れ込みのある葉で、シルバーグリーンのような美しい葉が特徴です。他の品種よりも花色が薄い傾向があり、暖地向きです。

ラベンダーの種類によって花の形状や香り、環境適応性が異なるため、自分の住んでいる地域や育てる環境に合った品種を選ぶことが成功の鍵となります。

では、ラベンダーに似た花たちを見ていきましょう。

ムスカリ(Muscari)

特徴と見分け方

ムスカリはヒアシンス科の球根植物で、ラベンダーと同じような紫色の花を咲かせることから、よく間違えられます。

  • 花の形: ブドウの房のような丸い実が集まったような形をしています。ムスカリは、ラベンダーのようにまとまって花をつけますが、よく見てみると丸い実をつけたブドウの房のように見えませんか。この形状がラベンダーの花穂状の形とは大きく異なります。
  • 草丈: 10〜20cm程度と、ラベンダーよりも低く育ちます。
  • 開花時期: 春(3〜5月頃)とラベンダーよりも早い時期に咲きます。
  • 葉: 根元から出る細長い葉が特徴で、ラベンダーのような茎から生える葉ではありません。
  • 香り: ほのかな香りはありますが、ラベンダーほど強くありません。

育てやすさと活用法

ムスカリは暑さにも寒さにも強く、一般家庭で育てやすいのも特徴的です。鮮やかな紫色のムスカリを花壇の挿し色として栽培している家庭もとても多いです。花色は紫以外にも青、白、黄色、ピンクと色とりどりの品種があります。秋に球根を植えると、翌春に花を見ることができます。

ローズマリー(Rosmarinus officinalis)

特徴と見分け方

ローズマリーもラベンダーと同じシソ科の植物で、見た目が似ています。特に立ち性のローズマリーはラベンダーと間違えられやすいです。

  • 花の色: 薄い青紫色の小さな花をつけます。
  • 葉: 濃い緑色で細長く、表面は硬く、裏側に白い毛があります。ラベンダーの葉は全体的に白っぽいのに対し、ローズマリーは表裏で色が異なります。
  • 香り: ラベンダーとは異なる独特な香りがあり、料理の香辛料としても使われます。
  • 開花時期: 11月〜5月頃と、比較的寒い時期に咲きます。
  • 草丈: 大きいものでは2m近くまで成長することもあります。

育てやすさと活用法

ローズマリーは湿気や極端な高温・低温に弱いため、初心者には育てるのが少々難しいかもしれません。しかし、料理やアロマとして活用できる汎用性の高いハーブです。肉料理の香り付けや、ポプリとしても利用されています。

ブルーサルビア(Salvia farinacea)

特徴と見分け方

ブルーサルビアは、ラベンダーと同じシソ科の植物で、花色や形状が非常に似ています。

  • 花の色と形: 青紫色の花穂を立ち上げる形はラベンダーとよく似ていますが、葉の形状が異なります。
  • 葉: ブルーサルビアは長楕円形の葉を持ちますが、ラベンダーはより細長い葉です。
  • 香り: ラベンダーほど強い香りはありません。
  • 開花時期: 5月〜10月頃までと長く咲き続けます。
  • 草丈: 25〜50cm程度で、花壇の中段に適しています。

育てやすさと活用法

ブルーサルビアは暑さに強く、夏花壇の定番として人気があります。日当たりと風通しの良い場所を好み、水はけの良い土壌で育ちます。観賞用として素晴らしく、涼しげな色合いで夏の庭を彩ります。

アメジストセージ(Salvia leucantha)

特徴と見分け方

アメジストセージもシソ科サルビア属の植物で、ラベンダーによく似た紫色の花穂が特徴です。ラベンダーよりもやや大き目な草丈となるアメジストセージも、ラベンダーに似た花として勘違いする人が多いようです。

  • 花の特徴: 紫色のベルベットのような質感のガクと、そこから突き出す花が特徴的です。
  • 開花時期: 開花時期は9月から11月と短期間しか開花しない花なので、見られたらとてもラッキーですよ。 ラベンダーより遅い時期に見られます。
  • 草丈: ラベンダーよりも大きく成長し、大株になります。
  • 葉: 緑色の葉で、ラベンダーの白っぽい葉とは異なります。
  • 香り: ハーブとしての香りはありますが、ラベンダーほど強くありません。

育てやすさと活用法

アメジストセージは非常に丈夫で、植えっぱなしでも年々大株になります。春から初夏に植え付けると、秋に美しい花を楽しめます。ラベンダーのようにまとまって花を咲かせますが、手入れをしないとどんどん高く伸びてしまうので、摘心して低く仕立てる必要があります。冬の寒さによって地上に出ている部分が枯れてしまっても、根まで枯れていなければ春になると芽吹く力強さがありますよ。

アンゲロニア(Angelonia)

特徴と見分け方

アンゲロニアはゴマノハグサ科の植物で、サルビアの仲間ではありませんが、花の形状がラベンダーと似ています。

  • 花の形: 細長い穂状に小さな花を咲かせる姿がラベンダーに似ています。
  • 開花時期: 6月〜10月頃まで長期間咲きます。
  • 草丈: 30〜60cm程度で、コンパクトな品種もあります。
  • 葉: 細長い緑色の葉を持ちます。
  • 香り: 特徴的な香りはあまりありません。

育てやすさと活用法

アンゲロニアは非常に育てやすく、暑さにも強いため夏花壇の主役として人気があります。日当たりの良い場所で育て、適度な水やりで長く花を楽しめます。切り花としても利用でき、花壇やコンテナガーデンに最適です。

メアリーセージ(Salvia nemorosa)

特徴と見分け方

メアリーセージもサルビア属の植物で、ラベンダーに似た花穂を持ちます。

  • 花の色: 紫色から青紫色の花穂を伸ばします。
  • 開花時期: 初夏から秋まで長く咲きます。
  • 草丈: 30〜60cm程度で、コンパクトな庭にも適しています。
  • 葉: 緑色の葉で、表面にシワがあり、ラベンダーの葉とは質感が異なります。
  • 香り: ハーブの香りはありますが、ラベンダーほど強くありません。

育てやすさと活用法

メアリーセージは丈夫で育てやすく、日当たりと水はけの良い場所を好みます。花後に刈り込むと再び花を咲かせるため、長期間楽しむことができます。宿根草として庭に定着し、毎年花を楽しめるのが魅力です。

セルビア・ガラニチカ(Salvia officinalis ‘Galanitia’)

特徴と見分け方

セルビア・ガラニチカはサルビア属の一種で、メアリーセージと同じアキギリ属に分類されます。

  • 花の形: ラベンダーに似た穂状の花を咲かせます。
  • 草丈: 品種によって様々ですが、低木状に育つタイプやロゼットタイプなどがあります。
  • 葉: 品種により様々な葉の形状があります。
  • 開花時期: 種類によって異なりますが、主に夏から秋にかけて咲きます。
  • 香り: ハーブの香りがします。

育てやすさと活用法

セルビア・ガラニチカは比較的丈夫で、日当たりの良い場所と水はけの良い土壌を好みます。観賞用として庭やコンテナで育てられ、蜜源植物としても価値があります。

メドーセージ(Salvia pratensis)

特徴と見分け方

メドーセージはヨーロッパ原産のサルビア属の植物で、野生の草原に自生する種です。

  • 花の色: 青紫色の花穂を上げます。
  • 草丈: 30〜80cm程度に成長します。
  • 葉: 根生葉がロゼット状に広がる特徴があります。
  • 開花時期: 春から初夏にかけて咲きます。
  • 香り: ハーブの香りがあります。

育てやすさと活用法

メドーセージは乾燥に強く、日当たりの良い場所を好みます。ナチュラルガーデンやワイルドフラワーガーデンに適しており、蝶や蜂を引き寄せる効果があります。

セルビアファリナセア(Salvia farinacea)

特徴と見分け方

セルビアファリナセアはブルーサルビアの学名でもあり、同じ植物を指します。

  • 花の色: 青紫色から白色まで様々な色の品種があります。
  • 草丈: 30〜90cm程度に成長します。
  • 葉: 緑色の長楕円形の葉を持ちます。
  • 開花時期: 初夏から秋まで長く咲きます。
  • 香り: わずかなハーブの香りがします。

育てやすさと活用法

セルビアファリナセア(ブルーサルビア)は暑さに強く、乾燥にも比較的耐性があります。夏花壇の主役として人気があり、切り花としても利用されます。

ラベンダーセージ(Salvia lavandulifolia)

特徴と見分け方

ラベンダーセージは名前の通り、ラベンダーに非常に似た外観を持つセージの一種です。

  • 花の色: 青紫色の花穂を持ちます。
  • 葉: ラベンダーのような細長い葉を持ちますが、より灰色がかっています。
  • 香り: ラベンダーとセージを混ぜたような香りがします。
  • 開花時期: 主に夏に咲きます。
  • 草丈: 30〜60cm程度に成長します。

育てやすさと活用法

ラベンダーセージは乾燥に強く、日当たりの良い場所を好みます。ハーブガーデンやロックガーデンに適しており、料理用ハーブとしても利用できます。香りを楽しむためのポプリやドライフラワーにも適しています。

カトレア(Cattleya)

特徴と見分け方

カトレアはラン科の植物で、花の色合いが時にラベンダーと似ています。

  • 花の形: 大きく華やかな花を持ち、形状はラベンダーとは全く異なります。
  • 生育環境: 熱帯や亜熱帯地域原産の着生ランで、栽培環境もラベンダーとは全く異なります。
  • 葉: 厚みのある葉を持ち、ラベンダーの細い葉とは全く異なります。
  • 開花時期: 品種により異なりますが、主に春〜夏に咲きます。
  • 香り: 甘い香りを持つ品種もありますが、ラベンダーとは異なる香りです。

育てやすさと活用法

カトレアは室内での栽培が一般的で、適切な湿度と温度管理が必要です。鑑賞用の観葉植物として人気があり、花が咲くと非常に華やかです。

ヤナギハナガサ(Verbena bonariensis)

特徴と見分け方

ヤナギハナガサはクマツヅラ科の多年草で、小さな紫色の花を咲かせる点でラベンダーと似ています。

  • 花の形: 小さな紫色の花が房状に集まりますが、茎が細長く高く伸びる点がラベンダーとは異なります。
  • 草丈: 100〜150cm程度と非常に高く成長します。
  • 葉: 茎に対して小さな葉を持ちます。
  • 開花時期: 6月〜10月頃まで長く咲きます。
  • 香り: 特徴的な香りはあまりありません。

育てやすさと活用法

ヤナギハナガサは丈夫で育てやすく、日当たりの良い場所を好みます。こぼれ種でも増えるため、一度植えると毎年楽しめることが多いです。背が高く茎が細いため、ふわっとした印象の庭づくりに適しています。また、蝶や蜂を引き寄せる効果もあります。

ラベンダーの効能と活用法

ラベンダーは見た目の美しさだけでなく、多くの効能を持つハーブとしても古くから重宝されてきました。ここではラベンダーの主な効能と活用法をご紹介します。

ラベンダーの主な効能

  1. リラックス効果: ラベンダーの香りには、ストレスを緩和する効果があります。日本アロマ環境協会の実験では、ラベンダーのアロマを漂わせたところ、リラックスの指標となるα波が上昇したという結果が得られています。
  2. 鎮痛・鎮静作用: ラベンダーには鎮痛・鎮静作用があり、不安感を鎮め、頭痛や胃腸トラブルを緩和します。
  3. 安眠効果: ラベンダーの香りには安眠作用があり、寝室の芳香剤やリラックス用品として広く利用されています。
  4. 抗菌・消毒作用: ラベンダーには抗菌作用もあり、切り傷や虫刺されにも役立つ汎用性の高いハーブです。
  5. 防虫効果: ラベンダーの香りには防虫効果もあります。ドライフラワーを細かくほぐして通気性の良い袋に入れたり、精油をハンカチにたらしたりして、洋服のタンスに入れておくのもおすすめです。

ラベンダーの活用法

1. アロマテラピー

ラベンダーは「万能精油」と呼ばれるほど用途が広く、アロマテラピーで最もよく使われるアロマオイル(精油)です。 精油をディフューザーで拡散させたり、アロマポットで香りを楽しんだりできます。

最も簡単な芳香浴の方法は、熱湯に数滴ラベンダーオイルを垂らすだけ。オイルが蒸発し、香りを楽しむことができます。

2. ドライフラワー

ラベンダーはドライフラワーにしやすい花で、「ラベンダーからドライフラワーにハマった」という人も多いです。花が開ききってしまうと香りが弱くなるため、まだつぼみが残っている状態でドライフラワーにすると長く香りが持続します。

ドライフラワーを作る方法には、束ねて吊るす「ハンギング法」と、シリカゲルを使用する方法があります。ハンギング法は、片手に収まる程度のラベンダーの束を、茎の部分を紐でくくってさかさまにしてつるし、涼しい場所で2週間ほど乾燥させます。

3. バスタイム

ラベンダーの作用をさらに生かすには、アロマバスがおすすめです。香りとお風呂の相乗作用で、心身ともに疲れが取れてリラックスできます。こわばった筋肉がほぐれて血行がよくなるため、肩こりや冷え性にも効果的です。

4. 料理・飲み物

ラベンダーはハーブティーやお菓子作りにも活用できます。淡い甘さと香りが特徴で、クッキーやケーキ、アイスクリームなどに少量加えると、風味豊かな一品になります。

5. ポプリ

ラベンダーは観賞用として花を楽しむほか、花や茎葉など全草に香原料として芳香成分を含有しているため、ハーブティーや精油(エッセンシャルオイル)、入浴剤、ドライフラワー、ポプリなどに利用されています。

6. アロマスプレー

アロマスプレーは、精油10滴、無水エタノール5ml、精製水45mlを混ぜて作ることができます。 寝室や枕にスプレーして、リラックス効果を得られます。

ラベンダーは自分で育てることもできるので、ガーデニングやベランダ栽培を楽しみながら、収穫した花を様々な形で活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

ラベンダーに似た花は多く存在しますが、それぞれに独自の魅力と特徴があります。これらの花を見分けるポイントは以下の通りです:

  1. 花の形状と大きさ: ラベンダーは小さな花が穂状に密集しています。
  2. 開花時期: ラベンダーは主に初夏に咲きますが、似た花は春から秋までと様々です。
  3. 香り: ラベンダーは独特の強い香りがありますが、似た花の多くは香りが弱いか異なります。
  4. 葉の形状と色: ラベンダーの葉は細長く白っぽいですが、似た花はそれぞれ異なる葉を持ちます。

これらの知識を活かして、庭や散歩中に見かけた紫色の花が何なのか、より正確に判断できるようになりましょう。また、好みや育てる環境に合わせて、これらの美しい植物をガーデニングに取り入れてみてはいかがでしょうか。

それぞれの花には独自の魅力があり、ラベンダーの代わりになるわけではありませんが、補完し合って美しい庭を作り出すことができます。季節ごとに異なる花を楽しめるように計画すれば、一年を通して紫色の花々に彩られた庭を楽しむことができるでしょう。

ラベンダーの香りが好きな方は、本物のラベンダーを育てて、その香りを楽しむことをおすすめします。アロマテラピーやポプリ、ドライフラワーなど、ラベンダーならではの活用法も多くあります。

あなたの庭や生活に、ラベンダーやその仲間たちの美しさと香りをぜひ取り入れてみてください。